2020年1月4日土曜日

アーティストの30代

アーティストにとって30代というのが、実力・感性・体力などの面で、最も充実した時期なのではないかと思う。40代以降というのは勿論未経験だが、自分を振り返っても、同年代の友人たちを見ていてもそう感じる。

20代の頃は、まず自分のことがよくわからなかった。当然、どこに向かうべきかもわからなかったし、力無き身でガムシャラにしがみつくので精一杯だった。

30歳で鬱が深刻化して何もできなくなった頃、自分は人生を失敗したのだと勘違いした。もうどこにも進めないと絶望し何も手につかなかった。こんな日が来ること、自分のやりたいことをハッキリと理解し、アプローチの手段、ネットワーク、積み重ねて行けば状況が変化していくことなど、全く想像できなかった。

だから後進に何か渡せるものがあるとしたら、とにかく状況も可能性も変化し続けるから、諦めなくて良いということだけは断言できる。

自分はまだ何も為してはいない。それが達成されずに追い求め続けられることは恵まれているということなのかもしれない。

自分が障害福祉の仕事をしながらアーティストとしての活動も並行していること、友人たち以外に名前が知られるような立場にはいないこと、未だ20人程度のキャパで作品を発表し続けていることは、社会的な見地からは一見不遇に思えるかもしれないが、面白い人たちと知り合えて一緒に仕事をしたり交流したりできる今の状況は、誰も安直に結論づけてはいけないと思う。

さて、昨年末から「落々」のリハを再開している。相変わらずの部分と、反復する中で見出していく新たな世界との出会いがある作品です。まだどういう作品なのかは言語化できませんが、私がアーティストと自称できる根拠は、この飽く無き探究心、好奇心、そして自身の衝動に率直であり続けること、それは13歳の頃から変わっていない、ということです。

Sound Sample Market vol.2は今月の11,12日です。よろしくお願いします。
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